とある物書きの、小説置き場となったブログ。


by crow_sergeant
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Higher than the Sun

2. Rencontre[Encounter] -邂逅-
YUMI 情熱大陸 宇宙花火 RO2 クチコミネタ 空気読み力テスト 台風

 唐突だが、人が空を飛んでいたのを見た場合、どうすればいいのだろうか。
私、こと軋間片刃《きしま かたは》はロンドンから来たクオータの帰国子女で、日本にはある用事で戻ってきているだけなのに・・・。
こんなの聞いてないよー!?

     ∫ ∫ ∫

 遡ること1時間前。
明日は日曜で休みだー!と私は意気揚々としていた。

 私の親はもう亡くなっていて、別荘として使っていた日本の家を、私は根城にしている。
私が生まれてから、この別荘を使ったことは無い。
別荘と言っても、親がまだ若かりし頃の家だと言っていた。
私がここに来ることはないと思っていたんだけど、何故か、私はこの街に居る。

 そんなわけで日本初上陸の私はロンドンとは全然違う風景を楽しんでいる。
そして、今日は何故か遠くまで散歩に行こう、と思ったのである。
なんという気まぐれ、なんという運命の歯車。神よ、そんなに私を弄ぶのが好きか。

 まだ無知な私は色んなところに足を伸ばしてはまわっていた。こんなに歩くの好きだったかなぁ
小さな公園を見つけては、小休憩して、また歩いたりと夜も段々と更けていったのです。
そんなわけで 私は、まだ見ぬ街の顔に色々と百面相をしながら一人で歩いて居たのです。

あ る い て 居たのです!!

なのに、なんでこんなことになるのよー?!

     ∫ ∫ ∫

 とりわけ目のいい僕は、そこから見える景色を楽しみながら空の散歩を楽しんでいた。
たまに流れる流れ星や、街の中で流れていく車のライトが目を掠めてはそれを見ていたり。

 街の中で行われる、悪事なども見える。が僕にそれを制裁出来るほどの度胸も力も無く。少し悔やむコトもしばしば。
それでも。最近、転入してきた子を見過ごせるほど僕は落ちぶれていなかったのである。

 なんて、かっこよく決めたつもりでもどうしたらいいのかわからなかったり。
小さな葛藤の末、僕は彼女を助けることにした。

 それが、未知なる世界へ足を突っ込むことになるとは思っていなかったわけで。
僕の行く道はどこで間違った方向へ行ったのだろうか。
それが間違った方向なのかもわからないまま、僕の足は進んでいく。
間違っていたのか、正しかったのか、それは後から決めることだと覚悟を決め、僕は初めて空から街へ降りたった。

     ∫ ∫ ∫

 目に映るものが全て新鮮で、少し私は調子に乗っていたみたい。
私には迷子スキルというものは無いと思っていた。っていうか迷子スキルってなんだ。

 それでも、方角はきっちり押さえてる私。
けれど、どこをどう行っても同じような角。そして背の高いビル、空が見えやしない。
方角も分からない私は、一般人は立ち寄らない危ないところへ私は迷って行ってしまった。
南無、私。
なんて言ってる場合じゃねー!!

  私が踏み入れた場所は、まぁ。なんていうか不良君の溜まり場であったのでした。うん。
そこへ一歩踏み入れたとたん、そこに居た不良君たち4人はこっちを向いてたのです。ばっちし目が合ったよ!

 神が居るだなんて思っては居ないけれど。思わずには居られなかったよ。
神様のばかやろー!

 やばい、と私の危機感知センサーが反応して、即回れ右して全速力の私。
そして何故か追ってくる不良君。なんで追うんだ、理由を聞きたい。
私は理由が聞きたいが、それどころじゃない。まったく、なんでこんなことになったんだ・・・?
なんて考えてる暇もない。私の足は遅いほうじゃないので、早々追いつかれないけれど。

 やっぱり地の利は向こうにあるらしい。それに加え、周りには人っ子一人いない。
・・・なんで私はこんなところを歩いていたんだよぅ。私のバカー!

そして、私は彼と出会った。
空から落ちてくる彼と。

     ∫ ∫ ∫

 彼女と、彼らが鉢合わせになった瞬間を、何故か僕はこの目で見ていた。
彼女を見た瞬間、誰だかはっきりとわかった。そしてそのあとのことも。

 そして、彼女は逃げている。
目で見えても、何かを喋ったりしていても僕には聞こえない。
かろうじて口が動いてるのが見えるだけである。
何かと口に動かしてる不良に、ぎこちなく回れ右をして走って逃げていく彼女。

 彼女が逃げていく道はどこもかしこも背の高いビルに囲まれて、迷路のよう。
真上に居たからこそ見えたのだろう。偶然なのか、必然なのか。

 とりあえず、僕は彼女の様子を見ながら、降りれるところを探す。
降りれるところ、というのは彼女が向かいそうなところの事である。ほかに限定されることも無いのである。

 高度を下げると、彼女の様子が見えなくなるので、人並みの頭をフル回転させて、行き場所を探す。
そして、僕は場所を見つけ、道を作りそこへ走っていったのである。
そしてジャンプ、着地のちょっと前。

そして――――彼女と目が合った。

僕が初めて人に見られた瞬間でもあり
僕と彼女の邂逅の瞬間だった。
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by crow_sergeant | 2007-10-11 22:18 | 小説